以下、産経ニュースより引用
銀座にある東京都中央区立泰明小学校が実質的な制服に当たる標準服に、イタリアの高級ブランド「アルマーニ」監修のデザイン採用を決め、高額すぎるなどといった批判が出ている問題で、区教育委員会の島田勝敏教育長は1日、区議会一般質問で「教育委員会として(同小に)適切に指導できず反省している」などと述べた。共産区議らの質問に答えた。
島田教育長は冒頭、同小学校に対する区教委の指導不足を謝罪したうえで「標準服の変更は価格も含めて学校長を中心に、保護者やPTA、地域の方々などが話し合いながら決められるべきものだと考える」と指摘した。
また、同小の和田利次校長が関係者から十分な理解を得られないまま、標準服の変更を進めて混乱を招いたことについては「教育委員会として真摯(しんし)に受け止め、引き続き厳しく指導する」と述べた。
このニュースを読んだ感想を現役教師が書いていきます。
標準服とは
標準服とは、制服とは違って別に着用する必要のないものです。つまり、高すぎると思うのならば買う必要もありません。普段は私服で通学しても良いし、式典でも必須ではないはずです。
標準服のメリット
私服と標準服を選べる学校ということで、例えば私服を買うのが面倒だと思うのであれば標準服を購入して通学すれば良いので楽なんですよね。
では、標準服の学校では私服と標準服のどちらが目立つのか・・・それはその学校に行かないとわかりませんね。私が以前に見たことがある標準服の高校では私服のほうが多かったのですが、高校生だったときに別の高校を見たときは標準服の生徒ばかりでした。結局、年齢による違いやその学校のレベル、どんな層の人が通っているのかで状況は変わってくるでしょう。
制服や標準服を作るときってどうするの?
基本的には他のものと同様で、3社以上に見積もりをとることになります。
特に制服となると金額だけではないのでプレゼンをしてもらったりします。その結果、担当職員で相談して決定することになるので、場合によっては癒着も起こりうるかもしれません。
デザインや素材を統一すれば機械的に相見積もりをとることもできるのですが、メーカーごとに強みがありますし、デザイナーの力も関係してきます。どうしても選ぶ側の「感覚」が大きな影響を与えるでしょうね。
制服・標準服作成時のポイント
当然金額。その学校の生徒の家庭の所得がどれくらいなのかも考える必要があります。生活保護世帯が多い場合、高い制服を設定すると入学志願者が減ることになります。今回のニュースでは小学校なので、高い標準服を設定することで貧困層の入学を減らそうという意図があったのかもしれませんね。
次にデザイン。制服や標準服はぱっ!と見て自分のところの生徒であることが分かる必要があります。それは遠足や修学旅行のときに非常に役に立つ目印となるのです。だから最近できた学校などは派手な制服を作るんですね。さらに、女子生徒の服は可愛くすることが入学志願者数を増やすポイントになるのでしょう。ある程度レベルの高い女子生徒でも、制服が可愛いからということで志望校のレベルを下げる子もいます。
そして素材。しわがつきやすいのか、ブレザーも洗濯できるのか、汚れは落ちやすいのか。
マークの位置。特にスカートは女子高生は切ってしまう子がいます。スカートの丈に校章が入っていれば、単純に切り落としてしまうとすぐにわかります。
まとめ
今回の騒動を見ていると、校長がワンマンプレーで混乱を招いたのかな?というように見えます。実際の学校の状況や、標準服の質なども全くわからないので一方的に批判することはできないのが私の感想になります。
実際のところ教員として働いていても、制服の金額なんて覚えていません。基本的には入学時に金額を記載したものを配布するのですが、担当教員以外が興味を持ってみることは少ないので、いくらなら高いのかもわからない人が多いのでしょうね。
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